
徐々に深く挿入
「他の誰にも見せません。
現像も私がするんですから。
よろしいですね」
「えっ?」
自分に話しかけられていることに気づくと同時に、あの方がカメラを構えていることにも気づきました。
「美しい。
あなたは、本当に、美しい女性です」
「わたくしが……?」
カメラのレンズ越しに、わたくしの肢体をみつめて、そうしてときおりシャッターを切るのです。
後ろ手に縛られて、少しだけとはいえ背中を反らせた姿勢になっていました。
長くそうしているのは、辛いことでした。
畳の上に横たわり自分では動けないわたくしの肢体は、あの方ではなく、わたくしを縛り上げた男性の手によって、ときおり動かされました。
様々な角度から、全身くまなく撮影されたのです。
「俺は外してるから、終わったら呼んでくださいよ」
「あなたじゃないと、ほどけませんからね」
「じゃあ、旦那、たっぷりお楽しみくだせえ」
畳に転がったままのわたくしに、男性の姿が扉の向こうに歩き去っていくのが見えました。
背後から、あの方が近づいてくる気配がいたしました。
「ここが」
そう言って、あの方がわたくしの肢体に触れました。
「さっきから、ずっと、ここが」
「あっ!」
背中を滑り降りた指先が、わたくしの秘所へ触れてきます。
「ずっと、ここが、濡れっぱなしですよ」
「あ…っ…」
くちゅっ……という濡れた音が、静かな和室に響きました。
「見られただけで、あなたは、こんなに濡れてしまうんですね」
あの方の指が、徐々に深く挿入されてきます。
「私はね。
見ているだけでは興奮しないんですよ」
ぐちゅぐちゅ、音を立てて掻き回されているそこが、どんなに熱くなっても、わたくしは畳の上で身じろぎすることしかできません。