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穿たれる感覚に身悶え

「あっ……」

 

滴る蜜を舐め取られるだけでなく、舌がわたくしの内部にまで入ってこようとしていました。

 

「ああ…っ…そんなに深く……」

 

「どうかしましたか?」

 

「あぁ…っ…」

 

「耐えられないほど、お嫌なら、もうよしましょうか」

 

「いいえ」

 

「それでは、もっと、続けてもよろしいと?」

 

「はい」

 

わざわざ、こんなことを確認するのは、わたくしに恥ずかしい思いをさせようとしているに違いありません。

 

けれど、ちっとも、嫌な気はいたしませんでした。

 

それどころか、身体の芯が、燃えるように熱くなってしまうのです。

 

「もっと、奥まで、その舌で、嬲ってください」

 

「しかしね、舌では、これ以上は届きませんよ」

 

「ああっ、お願いです。

 

なんでもかまいませんから、わたくしの肢体を貴男の思うままに……」

 

「本当に、なんでもかまわないんですね」

 

わたくしは、自分の口走ったことの意味を理解してはいませんでした。

 

ただもう、内部の燃えるような熱さに堪えきれなくなってしまったのです。

 

「よろしいですね」

 

「えっ?」

 

わたくしの目の前にかざされたものは、いったい、どういうものなのでしょうか。

 

男性自身の形をしていることは、目にした瞬間にわかりましたけれど……。

 

「そう、珍しいものではありません。

 

水牛の角でできている張型ですよ」

 

「まさか、それを、わたくしに……」

 

「なんでもかまわないと、おっしゃったばかりじゃありませんか。

 

それとも、あれは嘘だったのですか」

 

横向きに寝て、尻を突き出した格好のままで、わたくしは目を閉じてしまいました。

 

「貴男の思うままに、わたくしの肢体を、好きなようにしてください」

 

「心配しなくとも、あなたが気持ち良くなるように、して差し上げますよ」

 

冷たくて硬い、石のような感触に肌が粟立ってきます。

 

それでも、わたくしは、耐えようと思いました。

 

たとえ、こんなもので貫かれたとしても、それがあの方の手によるものならば、あの方に抱かれたも同じこと。

 

そう思うことで、これから起こるすべてのことに耐え切ろうと決心したのでございました。

 

撫でるように、押しつけるように、ときに強く、ときに弱く、張型でいじりまわされているうちに、わたくしの熱が移ったのでしょうか。

 

それが熱くなっているように思えてきました。

 

目を開けても、背後で行われているために、なにも見えません。

 

両手首は前で縛られていましたし、足首も左右まとめて縛られていたので、足を開くこともかなわないのです。

 

「あぁ…っ……」

 

執拗に内部を穿たれる感覚に身悶えしながら、ふと、部屋の隅に置かれた姿見に目をやりました。

 

和服を着るときに姿を映すために置かれているのでしょう。

 

鏡の面には布覆いが掛けられていましたが、裾が斜めに捲くれて鏡の一部が露出していました。

 

そこにわたくしは、信じられないものを見たのです。