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舌先の動きも絶妙

「そこに立って。」

 

徳井聡志は今日子を部屋の中央に立たせた。

 

帯をハラハラと解き、あとはタケノコの皮をむくように着物や襦袢を剥ぎ取っていくと、障子を通して射す光の中に今日子の白い裸体が浮き上がる。

 

均整の取れた美しいプロポーションで、陰毛の萌え方もつつましやかだ。

 

聡志は背後に回り、うなじから肩のラインに舌を這わせつつ、脇から手を回して乳房を愛撫した。

 

弾力に富む若々しい柔肌の感触が伝わってくる。

 

心をとろけさせるような香木のにおいが鼻から忍び寄った。

 

今日子は聡志の愛撫を目を閉じて受けた。

 

呼吸を乱すわけでも、恍惚の表情を浮かべるでもない。

 

男の左手が胸から腹へ、さらに陰部の方に進んでも、同じだった。

 

不感症なのか?指を花園に赴かせたとき、聡志はかすかに思った。

 

わずかに湿り気があったが性感の高まりはそこにはない。

 

聡志は、今日子の前に回り、自分の服を脱ぎ始めた。

 

上半身裸になり、ズボンを脱ぎ、ブリーフ姿になると、彼は今日子に言った。

 

「吸ってみる?」

 

今日子はうなずくと、片膝をつき、ブリーフを下ろす。

 

「クスリ」の作用でさっきから狭い場所で窮屈そうにしていた肉棒が拘束を解かれ、屹立をあらわにした。

 

今日子は初めて感に堪えないような表情を示し、聡志の肉棒をしばし手で愛撫していたが、やにわにそれを口に含んだ。

 

ピチャピチャ、ジュルルル、という音が部屋に響いた。

 

舌先の動きも絶妙で申し分ない。

 

並の男だったら彼女の口淫だけで射精してしまうだろう。

 

聡志は頃合いを見計らって今日子の肩を押さえて男根を口から抜くと、髪を留めている櫛を外した。

 

はらりと今日子の長い髪が肩甲骨のあたりまで落ちた。

 

聡志は白足袋をはいただけの女体を抱き上げ、夜具の上に横たえた。

 

そして、両脚を開かせ、もう一度手を女陰に這わせると、ようやく熱い淫水がこみ上げてきたようだった。

 

聡志は、体勢を整えると、固く太い肉剣で今日子を貫いた。

 

たちまちそれは媚肉の間に没し、その餌食になっていく。

 

微妙な襞がとりまき、幾千もの触手が肉棒を包んでいく。

 

今日子の蜜壷は軟体動物のように伸縮した。

 

このような名器はそうそうあるものではない。

 

「この女、不感症なんかじゃない、『プロ』だ。」

 

今日子のこれまでの動きは、考えてみれば、男をいかに性的に満足させるかという観点からは完璧だった。

 

従順で古風な女が房事に臨んで大胆になるという、中年男が夢見る女の理想型の一つを彼女は演じている。

 

佐々木グループの接待施設「普門亭」での、今日子の役割はまさに性の接待係であるに違いない。

 

いわば聡志の「同業者」なのだ。

 

今日子との交わりは、もはや男女の愛の交歓というよりは、どちらが先に果てるか、プロ同士の戦いの様相を呈してきた。

 

聡志は今日子のすらりと伸びた脚を閉じさせ、体位を変えて責めてみたが、彼女が本気で感じるようになったとは見えなかった。