
自分の愛壺に導く
「だんだん、私、味な気分になってきたわ。
来て。」
夫人が次の間を開けると、そこは薄暗く、香がたかれていた。
夫人は襖を開けたままその部屋に入ると、襖の影で着物を脱ぎ始めた。
シュルシュルという音が物陰からしてくる。
聡志は、前の間で素早く服を脱いだ。
そして赤銅色の体にネクタイだけはそのまま首にかけた姿で、夫人のいる部屋に入った。
入った途端、横から手が伸びてきて聡志のネクタイを掴んだ。
そして、次の瞬間、聡志は肌襦袢と腰巻き姿の夫人と向かい合っていた。
夫人は、屹立する肉棒を見て、驚喜した。
「すごいわ、トクちゃんの。
ああ、今日もいっぱい味わって気をやらなきゃ。」
夫人は聡志に身を寄せ熱い口づけを交わすと、
「さあ、来て」
とネクタイを下に引っ張った。
聡志が横たわる夫人の腰巻きの中に手をやって濡れ具合を確かめると、そこはすでに熱い淫水でしとどに濡れている。
「うーっ」
聡志の指の動きに性感を煽られたのか、夫人は肉付きのいい肢体を悩ましげにくねらせた。
程なく、聡志の指は夫人の快楽の真珠に触れた。
途端に、夫人は悲鳴に似た高い声を部屋中に響かせてのけぞった。
「優しくして。
大好きよ。」
夫人は聡志の手首を掴んで、艶めかしい笑みを投げかける。
聡志は体勢を整えた。
「はあーっ」
花園の入口を聡志の肉剣がノックしたとき、夫人は待ちかねたように熱い吐息を漏らした。
そして、それが媚肉を踏みしだきながら蜜壺の中をえぐったとき、
「あっ、あっ」
と低く呻いた後、
「あつーい。」
と高く叫んだ。
両手で聡志の上腕部を掴んで、夫人は腰を下から突き上げる。
聡志の方は、夫人の表情を冷静に観察しながら腰の律動を自在に変えていく。
今や夫人は、聡志の道具をたっぷりと味わいながら、心おきなく嬌声を上げ続けた。
それは歌を歌っているかのように、低く高くメロディを奏でている。
やがて、そのメロディのリズムが早まり、喘ぎ声に近くなり、
「あふっ、くっ、くぅーーっ」
とひときわ高く伸びるよがり声を上げた。
恍惚とした表情が、まもなく
「うふふ、ふふ」
と笑顔になり、夫人は
「一つ気をやったわ。」
と舌なめずりした。
今度は夫人が上になり、横たわる聡志の上に腰を下ろした。
白い手で黒光りする聡志の欲棒を自分の愛壺に導くと、自らを貫かせ、「はうっ」と短い叫び声を上げた。
それからゆるゆると騎乗を始めていく。
「あっ、いいわ。
それ、いい。」
そして、また長く高い叫び声を上げた。
襟元から見える夫人の凝脂は汗ばんで白く光っている。
普通の男なら上半身にかかる薄い布地を剥ぎ取り、乳房を露わにするところだ。
しかし、夫人がそうすることを好まないと知っている聡志は、着衣の乱れを手早く直してやる。
そして夫人が気をやるたびに体位を入れ換えて交合を続けていった。